図柄表:トラヤヌス帝 図柄裏:トラヤヌス帝の父大トラヤヌス 発行地:ローマ帝国ローマ市造幣所 発行年:112〜113年 銘文表:IMP TRAIANO AVG GER DAC P M TR P COS VI P P 銘文裏:DIVVS PATER TRAIAN 額 面:デナリウス 材 質:銀 直 径:19 mm 重 量:2.91 g 分 類:RIC II 252 var; RSC 140 備 考:ナイストーン ローマ帝国ローマ造幣所で112〜113年に発行されたデナリウス銀貨。トラヤヌス帝と、その父で同名のマルクス・ウルピウス・トラヤヌスの神格化座像を描いた稀少貨。トラヤヌスのフォルム(広場)には彼の記念柱に隣接して父を祀った神殿が存在した。トラヤヌスの死後、その遺骸は彼のフォルムに埋葬され、同神殿に祀られた。 トラヤヌスの父大トラヤヌスは、元老院議員の議席を持つ上流階級の身だった。一族の中では初の元老院議員であり、出席頭でもあった。イタリア本土の血筋だが、3つに区分された広大なヒスパニア属州のバエティカに入植した。 トラヤヌスの出身地ヒスパニア・バエティカは南スペイン現アンダルシアに位置し、最も都市化が進んだ属州のひとつだった。東にタッラコネンシス、西にはルシタニアが位置する。大トラヤヌスはコルブロの部下を務めた後、ウェスパシアヌスの部下となり、第十軍団に所属してユダヤ戦争に参戦。武功を挙げ、その地位を獲得していった。 表側のラテン銘文は「IMP TRAIANO AVG GER DAC P M TR P COS VI P P(最高軍司令官 トラヤヌス 皇帝 ゲルマニア征服者 ダキア征服者 最高神祇官 護民官特権保持者 執政官6回経験者 国父)」。裏側の銘文は「DIVVS PATER TRAIAN(トラヤヌスの神なる父)」で、本貨がトラヤヌスの父大トラヤヌスを描いていることを示す。 写真では光沢の関係で若干分かりづらいが、ブルートーンが現れた美しい一枚。